こころの案内人のブログ

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カウンセリングは聴くだけじゃない!~解決志向型カウンセリングの効果~

 「カウンセリングなのに・・・?」セッション終了後、ご相談者に感想を求めた際の一言です。「なのに」という言葉は、先に述べたことと矛盾したことを述べる場合に使われる言葉ですよね。もしかして「カウンセリングなのにスッキリしなかった」など否定的な感想だったらどうしよう・・・と思っていたら、「カウンセリングなのに目標を決めるんですね。」というもの。心配は杞憂に終わりホッとしました。
 そうなんです。「解決志向型カウンセリング」では、ある段階まで来たらご相談者に目標(解決イメージ)を決めてもらうのです。それが特徴の一つであり効果に繋がっています。今回は「解決志向型カウンセリング」の効果についてご説明いたします。
 

 

「問題志向」と「解決志向」

「解決志向」に対して「問題志向」という考え方があります。それぞれの考え方についてご説明します。

1.「問題志向」と「解決志向」の違い

 

 

 「問題志向」とは、問題は何かを把握して、その原因を特定し取り除いていこうとするアプローチです。私たちはよく「反省」をしますが、その際に原因を追求しますよね。そして同じ失敗を繰り返さないように対策を練ります。これが問題志向です。また、仕事をする際に「PDCAサイクルをまわす」ことがあるかと思います。この「C(チェック)」に当たるのが問題志向です。時間軸で言うと「過去」に焦点を合わせたアプローチです。

 一方「解決志向」とは、ご相談者の望む状態やなりたい姿を明確にし、それを達成しようとするアプローチです。その際に、ご相談者がすでに持っている力を見つけて利用していきます。時間軸で言うと「未来」に焦点を合わせたアプローチです。ご相談者がすでに持っている力とは、全面解決に至っていなくても、すでにうまくいっていることやうまくいった経験のことです。ここに問題を解決するヒントや方法存在しています。この方法を試しがら少しずつ問題解決に近づいていきます。
 

2.どちらを採用するかは、問題の質による

 では「問題志向」と「解決志向」のどちらが良いのでしょうか?もちろん一概に決めることはできません。起こっている問題の質や内容と、問題志向・解決志向それぞれの特徴を踏まえた上で取り入れていくことが必要です。

 仕事の業務の場合、同じエラーを繰り返さないためには、「問題志向」によるアプローチで原因を特定し取り除いていかなければなりません。例えば、業務マニュアルの見直しなどには、この考え方が必要です。また、医療における感染症の治療では、原因であるウィルスを特定しそれを消滅させていかなければなりません。これも「問題志向」によるアプローチと言えます。

 一方「解決志向」が向いているのは、”こころの問題”です。こころの問題の原因は一つとは限らず、問題志向でアプローチした場合、原因を特定するのに時間がかかるためです。時間がかかっている間に、新たな原因が発生することもあります。その間、問題は解決されずに悩みや苦しみが続くことになるのです。
 「原因は何か」ではなく、「どうなりたいのか、すでにうまくいっていることはないか、それをどのように利用していけばよいか」という解決志向に切り替えることで、時間をかけずに解決に到達することができます。
 

「解決志向型カウンセリング」の効果  

1.解決イメージ(目標)を持つことによる効果 

 「解決志向型カウンセリング」では、ご相談者の望む状態やなりたい姿、すなわち解決イメージを明確にしてもらいます。ただし、始めからいきなり決めてもらうわけではありません。カウンセリングを始めた段階では、解決イメージを考えるだけの余裕がご相談者にはない場合が多いからです。悩みや今の気持ちを十分に話してもらった後に少しずつ考えてもらうようになります。 

 この解決イメージを明確にすることを難しく感じるご相談者もいらっしゃいます。というのは、例えば「社交的な人になる」というような漠然としたものではなく、もっと具体的なイメージを考えてもらうからです。ご相談者にとっての「社交的な人」とはどのような人でどのような行動を取る人なのか、カウンセラーが引き出しながら少しずつ具体化していくのです。
 
 この解決イメージが明確に定まると、それだけで悩みや問題の解決に大きく近づきます。半分近く解決したと言っても良いかもしれません。それは、”過去から未来へ”、”原因から解決イメージへ”と、ご相談者の意識の方向が変化するからです。この意識の変化は非常に大きいことです。「原因探しを止め、未来への希望と問題解決の意欲を持てるようになること」これが、解決イメージを持つことによる効果と言えるのです。
 

2.自分の内外にあるリソースを見つけることによる効果

 

 「解決志向型カウンセリング」では、解決イメージを明確にしながらご相談者の持つ力、すなわちリソース(資源・資質)を見つけていきます。このリソースは、ご相談者自身の中にある(ご相談者が持っている)「内的リソース」と、外にある「外的リソース」とがあります。

 例えば、上司と頻繁に意見が衝突することがストレスになっている方がいるとします。この方は、上司と衝突すると同僚を誘って飲みに行き、愚痴ってストレス解消を図っています。この場合、愚痴を聞いてくれる「同僚」は外的リソースと言えますし、「自分の気持ちを素直に話せる」ということは、この方の内的リソースと言えます。また、意見の衝突が、仕事において妥協をしないということの表れだとすると、「妥協しない真面目さ」も内的リソースと言えるでしょう。
 
 このようなリソースを自分で見つけることは意外と難しいものですが、ひとつひとつリソースが明らかになってくると、ご相談者にとって大きな自信に繋がります。悩んでいる方の多くは自己評価が低く、中には自己を否定するような発言を繰り返す方もいらっしゃいます。しかし、このようなリソースを見つけていくことで、最初は「こんなのリソースと言えるのかな」と半信半疑だった方が、少しずつ自信を持つようになってくるのです。最初から劇的な変化が起こるわけではありませんが、リソースと自信をひとつずつ積み上げていくことで、ある時点から行動が変わっていきます。これが、リソースを見つけることによる効果の表れなのです。
 

3.「解決志向」を身につけることによる効果

 

 
 原因探しではなく解決に焦点を当てるという方法や、自分のリソースを自覚するといった「解決志向」の考え方を身につけることで、今後起こるかもしれない問題にうまく対処できる可能性が高まります。そのためにも、自分の新たなリソースに気づいた時や「こうするとうまくいった」という体験をした時には、忘れないように書き留めておくことをお勧めします。あなたにとって大きな財産となるからです。

 また、どうしてもネガティブに考えてしまったり、反省を重ねても同じことを繰り返したりしてしまう場合は、ぜひ解決志向に切り替えてみてください。「なんで自分はダメなんだろう?」ではなく「自分はどうなりたいんだっけ?」という考えへの切り替えです。そして、自分のリソースを生かして”今までとは違った行動”をしてみましょう。意識や行動の変化が、問題の解決へと歩みを進めてくれるはずです。一人ではなかなかうまくいかない、という方は、ぜひお気軽にご相談ください。お力になれると思います。

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井上伸郎

井上伸郎

カウンセリングルーム「こころの案内人」の代表。ご相談者の「わかってほしい・解決したい・変わりたい」にお応えしながら、解決志向型カウンセリングによって多くの方々の「悩みの解決」や「目標達成」のお手伝いをしております。

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