こころの案内人のブログ

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「人生、先が見えてきた」そんな停滞感から抜け出すには

そろそろ人生の折り返し地点を迎える40代。職業人として脂がのっている時期ですが、一方で大きな壁にぶち当たることもある時期です。ひとつは「昇進が頭打ち」という壁。もうひとつは「キャリア・ショック」という壁です。 
今回は、ひとつめの壁である「昇進が頭打ち」になったときの心理と、その乗り越え方について考えていきます。

 

昇進の見込みがないと気づいた時


「出世」ということば自体あまり聞かなくなりましたが、会社に勤める組織人ならばある程度の出世ができるかどうか、すなわち役職につけるかどうかは気になるところです。一方、役職の椅子には限りがあります。自分の希望する役職まで昇進することが難しくなることも少なくありません。そのことに気づいたとき、どのような心理になるのでしょうか。

 

1.意欲の低下を招く

 

「出世だけが人生ではない」「出世のためだけに仕事をしているのではない」という声を聞くことがあります。そのような考えができるのであれば、昇進の見込みがないことで停滞感に陥ることはないかもしれません。しかし、組織に属する者にとって、昇進することは仕事の成果や仕事ぶりが評価された証であり、大きなモチベーションになっていることは間違いありません。

20代から30代は、昇進の機会に恵まれなかったとしても、まだチャンスはいくらでもあると気持ちを切り替えることができます。「まだまだこれからだ!」と思うことができるのです。ところが、40代に入っても自分が想定した役職に到達していなかったり、同僚に差をつけられてしまったりすると、なかなか気持ちの切り替えができなくなってきます。
どんなに頑張っても先が見えているという落胆やあきらめの気持ちと、一生懸命会社に貢献してきたのに評価されないという不満や苛立ちが、仕事に対する意欲を低下させていくことになるのです。
 

2.上昇志向が強い人ほどダメージは大きい

上昇志向が強い人は、専門分野で成功し評価を受けるというよりも、組織の中で重要なポストに就くことによって、自分の発言力や裁量権を得ることが重要な目標になります。したがって、上昇志向の強い人にとって昇進の見込みが断たれるということは、職業人生における目標を達成できないことに繫がるため、喪失感は大きいものになります。

すでに何かしらの役職に就きリーダーとしての役割が与えられている場合、その職責を十分に果たす気力が失われ、チームの業績が低下する恐れもあります。また、怒りの感情が抑え切れずに会社批判を始めてしまう人も出てきます。この批判は、自分を正当化するための行動といえます。

 

「先が見えてきた」をどう乗り越えるか

20代、30代と異なり、昇進の見込みがないということが現実味を帯びてくる40代。まだまだこれからだと気持ちを切り替えることも難しく、一方で、あきらめてしまうには若すぎる年代です。この先20年以上働き続けるためには、この壁をどのように乗り越えていけばよいのでしょうか。

 

1.感情に振り回されない

昇進の見込みがないと気づいたとき、さまざまな感情が生まれてきます。特にマイナスの感情に支配され振り回されてしまうと先に進むことができません。マイナスの感情はマイナスの行動を生み、それがまたさらに大きなマイナスの感情を生むという悪循環に陥ります。それを繰り返していると心身ともに疲弊し体調を崩す可能性もあるので注意が必要です。

マイナスの感情が湧き上がってきたら、その感情に目をむけてみて下さい。その時の感情はどのようなものですか? 怒り、悲しみ、悔しさ、苦しみ、焦り、恥ずかしさ・・・いろいろあるでしょう。大切なことは、振り回されないように自分の感情に気づくことです。「今、悔しい気持ちが胸に満ちている」と気づくことができれば、そのまま感情に流されずにすむからです。この時に無理に感情を抑え込もうとはしないでください。今この時の自分の感情に目を向けることができれば、自然と感情は静まっていきます。完全に感情を消し去ることはできなくとも、感情に流されマイナスの行動を起こすことを防ぐことはできるはずです。

 

2.承認欲求にとどまらず、さらに高みを目指す

マズローの欲求階層理論をご存知でしょうか。人間は何らかの欲求を持っており、それを満足させるために行動を起こすという考えです。マズローはその欲求を大きく5つに分けました。その4段階目の欲求が「承認欲求」です。
他者や社会から認められたい、存在価値のある人間と認められたい、地位や名声を得たいという欲求です。この欲求が認められないと無力感や閉塞感に陥ります。昇進の見込みがないことに気づきやる気を失うというのは、まさに承認欲求を満たされていない状態といえます。

しかし、この考え方だと昇進しない限り承認欲求は満たされないことになってしまいます。確かに「他者から」の承認は得られないかもしれません。では、自分で自分を承認し認めることはどうでしょうか。これは、他者の影響は受けませんので可能なことです。
つまり、他者からの承認についてはすべてをコントロールできませんが、自分で自分を認め評価することはコントロールできるのです。

他者からの承認を得たいという低次の承認欲求に留まり続けると、いつまでも権力や地位を求め続け、苦しみから抜け出すことができません。たとえ昇進の見込みはないとしても、自分で自分の価値を見出し認めてあげることで高次の承認欲求を満たすことができ、5番目の欲求である「自己実現の欲求」を目指すことができるのです。

 

3.自分らしく生きる

 

自分を認めるということは、昇進を前提とせずに今後の職業人生を生き生きと歩んでいくということです。そのためには、自分の強みや持ち味を見つけることが必要です。そして、それらを生かしながら自分らしく生きる方法を考えるのです。自分らしく生きる場所は会社だけとは限りません。会社の外にも目を向けて考えてみて下さい。この「自分らしく生きる」ということが、マズローが言うところの「自己実現」でもあるのです。

 

まとめ


昇進の見込みがないという停滞感から抜け出すには、①自分の感情に振り回されないように、自分の感情の動きに気づいて目を向ける、そして、②自分を認め自分らしい生き方を見つけることです。
②については、停滞感に陥っていなくとも人生の折り返し点にいる40代には必要なことといえるでしょう。なぜなら、40代は価値観の転換が求められているからです。
新しい生き方を見つけるために、ぜひカウンセリングを利用してみてください。自分ひとりで考えるよりもさらに心強く、幅広い視野を持って考える事ができ、新しい生き方に確信を得ることができるはずです。ぜひ、ご相談ください。
 

 

 

井上伸郎

井上伸郎

カウンセリングルーム「こころの案内人」代表。 民間教育企業に20年以上勤務し、教室責任者、エリアマネージャー、教務コンテンツ開発、社員研修、内部監査等を担当。うつ病・適応障害の克服やキャリアショックの体験から、働く方々の支援の必要性を痛感しカウンセラーを目指す。2015年にこころの案内人を開業。

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