こころの案内人のブログ

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自意識の”高さ”が私たちを苦しめる ~自意識の意味を知っていますか?~

 あなたは「自意識」という言葉にどのようなイメージを持っていますか? 真っ先に「自意識過剰」という言葉を思い浮かべる方も多いと思います。では「自意識過剰な人」とはどのような人でしょうか? 「目立ちたがり屋で自信過剰な人」という意味合いで使っている方が多いようが、「自意識過剰」と「自信過剰」とは、人の視線を気にするという点は共通しますが全く違うものなのです。今回は、その高さが私たちを苦しめる「自意識」について考えていきます。

【目次】

◆自意識とは何か
1.2つの自意識
2.自意識過剰とは 

◆自分を生きる
1.自意識を持つことは悪いことではない
2.他人はあなたの人生に責任を負わない
3.変わるためのヒント

「自意識」とは何か

1.2つの自意識

 自意識という言葉。何気なく使っている言葉ですが、「自意識って何?」と聞かれると説明が難しいのではないでしょうか。実は、自意識(自己意識)には2種類あるのです。簡単に申し上げると「自分で自分を見つめる意識」と「他人の目を通して自分を見る意識」です。

 前者の「自分で自分を見つめる意識」を「私的自己意識」と呼びます。これは、他者からは見えない「自分の内面に(自分が)目を向けるということ」です。私的自己意識が強い人は、自分の感情に敏感で気づきやすい傾向があります。自分の感情を客観的な姿勢で捉えることができると言っても良いでしょう。自分の感情や信念に正直で大切にする一方で、大切にするがゆえに自分を主張して折れないという傾向も持ち合わせています。例えば、自分に非がある場合でも素直に謝罪することができなかったりするのです。

 後者の「他人の目を通して自分を見る意識」は「公的自己意識」と呼ばれています。これは「他人にどう見られているのか」ということに意識が向くということです。周囲の目や評価を気にする傾向が強いのです。他人の目を基準とするため協調性がある一方、他人と違う考えや行動を抑制し強いストレスを感じてしまいます。例えば、他人と違うことをすると「恥ずかしい」という気持ちが強く起きて居たたまれなくなったり、常に自分の外見(髪型や化粧など)を気にかけたりしています。 

 あなたは、どちらの自己意識が強いと思われますか?

2.自意識過剰とは

 

 

 自意識というとすぐに連想するのが「自意識過剰」という言葉。自意識過剰とは、自分自身や自分の外見・言動について過剰に意識することを言います。 この場合、自分を客観的に見るというよりは他人からどう見られているかということに意識が向いています。しかも”過剰”ということですから、常に人目を気にしたり周囲に気を使ったりしている状態で、本人にとってみれば神経を擦り減らすような状態が続くとことになります。

 また、自意識過剰と自信過剰が混同されることがあります。自意識過剰な人とは「目立ちたがり屋で自信過剰な人、だから人目を気にする」という意味合いで使われることがありますが、実はその逆なのです。自信があるどころか、周囲からどう思われているかということを気にするあまり、あがり症や対人恐怖症などにもつながる可能性があります。
 一方、自信過剰とは、その名の通り自信を多く持ちすぎ、自分を過大評価することをいいます。自信過剰な人は、周囲が自分のことをどう見ているかなど意に介さないか、あるいは評価しているに決まっていると信じています。このことから見ても、自意識過剰と自信過剰は対極にあると言えます。 
 

自分を生きる

1.自意識を持つことは悪いことではない

  自意識は時に私たちを苦しめますが、自意識を持たない人は存在しません。自意識が過剰に高くなった時に私たちを苦しめるのです。

 先に説明した「私的自己意識」は、過剰になると頑なな性格となり自己主張が強くなってしまいますが、適度であれば自分自身を客観的に見ることができ自分を大切に生きることができます。周囲の意見に流されることなく「自分」というものをしっかり持つことができるのは、この「私的自己意識」のおかげとも言えるのです。 
 一方、「公的自己意識」が過剰になると周囲との衝突は避けられるものの、常に人目を気にするストレスに苛まれることになります。しかし、適度であれば周囲に配慮した行動を取ることができ、他人の目を通してではあるものの自分自身をより良くしようと試みるのです。
 
 この「より良くしよう」とする気持ち、さらには私的自己意識の「自分を良く見ながら自分の意見を発信していこう」という気持ちは、人の成長と進歩を促すものでもあります。功罪併せ持つのが「自意識」、人の心は複雑ですね。
 

2.他人はあなたの人生に責任を負わない



 周囲の目を常に気にして生きる自意識過剰な状態は、やはり苦しいものです。今そのような状態にいる人は、何とか抜け出したいと思うことでしょう。しかし、その状態から「すぐに」抜け出すのは難しいのです。というのは、周囲の目を常に気にするようになったのは、さまざまな要因によるものだからです。

 周囲の目を気にするのは他人から拒絶されることを恐れるからですが、その最も身近な「他人」とは母親です。子どもは母親に拒絶されては生きていくことができません。ですから、良くも悪くも母親に受け入れてもらえるよう行動します。この時、母親が必要以上に子どもを縛ると、子どもも母親に気に入られようとする気持ちが強くなり、その気持ちは蓄積されていきます。学校での先生との関係や友人関係でも同じような事が起こります。さらに、日本社会の風潮やSNSの発達による影響も見逃せません。

 このように、さまざまな影響によって培われた自意識をすぐに変えることは難しいのです。しかし、それでは苦しい。変えることは難しいのですが、可能な事でもあるのです。
 変える・・変わる第一歩として考えていただきたいことがあります。それは「他人はあなたの人生に責任を負わない」ということです。拒絶されるのを恐れるあまり他人の意見に従ってみた。でもうまくいかなかった。この責任は誰が取るのでしょうか? そんなことは言われなくても分かっているという方もいるかも知れませんね。分かっていても忘れてしまうことはありませんか?わざと思い出さないようにすることはありませんか?あなたが「あなたの人生を生きる」ことができるよう、この真実は頭の隅に置いておいていただきたいと思います。

3.変わるためのヒント

 周囲の目を気にする人は、先に述べたようにさまざまな影響を長年にわたり受けてきた人です。ですから、その思考や行動はもはや習慣化され、自動的に行われてしまっています。そこで、その自動化を止めてみましょう。何か判断をする時に、判断している自分を客観的に見てみるのです。すぐに結論を出すのではなく、今の自分の思考を見つめてみる、例えば「今、あの人の顔色をうかがっているなあ」「あの人にダメだしされるは嫌かも」などです。習慣に流されてしまうのではなく、いったん止めてみる。止まりさえすれば、新たな視点からの判断も可能になります。

 また、解決志向の考え方から、過去の成功事例を思い出してみるのも有効です。「自分の意見をしっかり主張できた時のこと」「周囲と異なる意見を述べたり行動ができた時のこと」「結果的には同調したが、しっかり考えてから結論を出したこと」こういったことはありませんか? あったのなら、その時にどうしてそのような言動ができたのか考えてみてください。そこに、あなたが変われるヒントがあるかもしれません。

 前者は「認知行動療法」の考え方、後者は「解決志向型カウンセリング」の考え方を使っています。ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせしてみてください。

 

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井上伸郎

井上伸郎

カウンセリングルーム「こころの案内人」の代表。セクシュアリティに関わらず様々な方々の「悩みの解決」や「目標の達成」を、解決志向型カウンセリングによってお手伝いしています。

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