子どもの夢とドリームキラー ~母親、先生、自分も?~

 私は、カウンセラーとして活動する前の20有余年、学習塾に勤務していました。学習塾勤務時代に最も力を注いだのは、進路指導を含むキャリア教育です。しかし、私の力不足を感じたのもまた進路指導でした。
 進路指導に力を注いだと言っても「どの学校に何人合格させたか」ということではありません。「生徒がいかに主体的に志望校を決めることができたか」ということです。これがなかなか難しいこと。その要因のひとつが「ドリームキラー」の存在です。
 今回は、進路を決める時の「生徒と周囲の大人たちのこころの動き」について、カウンセラーになった今改めて振り返ってみました。

【目次】
1.ドリームキラーとは何か
2.お母さんがドリームキラーだった!?
3.学校の先生もドリームキラーだった!?

4.自分の中にもドリームキラーはいる

1.ドリームキラーとは何か

 「ドリームキラー」という言葉、ご存知でしょうか?直訳すると「夢を殺す人」。なんか怖い言葉ですが、まさにそのような人なのです。
 
 あなたが何か目標を持った時、こんな言葉をかけられたことはないでしょうか?
「悪いことは言わないからやめておいた方がいいよ。」
「リスクが大きいから、自分だったらやらないなあ。」
「失敗した時のことを考えると心配!」
 これらは、あなたに対する助言ですが、こう言われたらあなたの決心も揺らぎますよね。あなただって、そうたやすく目標が実現できるとは思っていないわけですから。

 このような発言をする人たちのことを「ドリームキラー」と呼んでいます。上記のような発言は、おそらく悪気が無いものです。根底にあるのは、あなたへの「思い」や「心配」なのでしょう。
 一方で、悪気のあるドリームキラーも存在します。つまり、意識的にあなたが諦めるような言葉をかける人たちです。この人たちの根底にあるのは、あなたへの「嫉妬」「妬み」「蔑み」です。ストレートに辛辣な言葉を投げかけることもありますが、心配を装って諦めさせようとする場合もありますので要注意な存在です。

2.お母さんがドリームキラーだった!?

  私がかつて勤務していた学習塾は、入塾試験があるような難関校を目指す塾ではありません。お母さんに手をひかれてしぶしぶやってくる子や、部活を引退してから勉強に本腰を入れる生徒もいました。ですから、どのように志望校を決めれば良いか分からない生徒も多かったのです。
 そのような生徒には「高校入学後や卒業後、さらに将来のことをイメージした上で志望校を考えること」、そして何と言っても「自分なりの志望校選びの”ものさし”」を持つことを伝えました。

 進路相談の場ではいろいろなドラマが繰り広げられます。
お子さんと意見が食い違うと苦笑いして何も言わないお母さん
「あなたが良ければいいんじゃない?」と突き放すお母さん
「そんなに行きたいならもっと勉強してよ!」と叱責するお母さん
私の前で喧嘩が始まったこともありました。

 きれい事では受験は合格できないことは分かっています。我が子を心配するからこその言動。しかしながら、もう少しお子さんの言葉を尊重しても良いのではないかと思うこともありました。「無理でしょ!」と一喝するなどは、ドリームキラーと呼ばれても仕方がないかもしれません。少なくとも、お互いに話しあう時間をもっと持つべきだったのではないでしょうか。

 このように、家族など身近な所にドリームキラーが存在していることは多くあります。それは身近な存在であるからこそ「心配」になるから。そして「現状維持」でいきたいという無意識な気持ちが働くからなのです。

3.学校の先生もドリームキラーだった!?

 当時、第一志望が公立高校、第二志望が私立高校という生徒が多くいました。公立の推薦は狭き門なので、一般入試のことを考えて準備をしなければなりません。ところが、こんなことがありました。

 「先生、志望校変えたよ」塾に来るなり私に報告する生徒。どう変えたかというと、今まで一度も名前の挙がっていなかった私立高校の推薦を受けるとのこと。以前から話が出ていたのかもしれませんが、おそらく学校の先生が「ここなら推薦でいけるよ」と勧めたのではないかと当時の私は思いました。
 それで生徒が納得し満足なら何も言いません。しかし、今まで何度も話し合っていったんは決めた志望校は何だったのかと思ってしまうのです。話を聞いてみると、生徒はその高校を見学したことがないとのこと。要するにその高校のことをよく知らないのです。

 生徒が良く知らない学校を勧める先生。諸事情があることもわかりますが、この先生もまたドリームキラーと言えるのではないでしょうか。もっと早くにその高校の名前を出していてもらえれば、生徒に調べさせたのに・・・と私の力不足と無力さを感じた出来事です。

4.自分の中にもドリームキラーはいる

 入塾や進路相談などの時、お母さんから「今の成績で入れる高校はどこでしょうか?」と聞かれることがよくありました。我が子の今の実力で合格可能な高校が気になるのも、参考にしようとするのも当然です。

 ところが、参考ではなくそれで志望校決めようとする方もいます。つまり、現状の延長線上で将来を考えようとするもの。今後の我が子の伸びしろや努力は、無意識のうちにお母さんの視野から外れているのです。 これも「心配」や「安全第一」という考えからくるものですが、お子さんの可能性を積んでしまう可能性もあるのです。

 一方、同じような考えのお子さんもいます。「入れる学校に行ければいいや」「親がここでいいっていうから」「兄ちゃんもそうだったから」などなど。これこそ、自分の可能性を閉ざしてしまうドリームキラー。そうです、ドリームキラーというのは自分の中にも存在することもあるのです。

 かく言う私も人のことは言えません。私の中にもドリームキラーがむくむくと頭をもたげてくることがあります。もしかすると、誰かのドリームキラーになっているかもしれません。
 人は変化したいと思いつつも、結局は変化を避けて居心地の良い現状を選んでしまいがちなもの。私たちは、身近なドリームキラーに注意するとともに、自分の中にいるドリームキラーとも闘わなければならないのです。

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