すぐに謝る人の心理から見る「親の影響とこころの根っ子」

 あなたは、すぐに「すみません」「ごめんなさい!」と口癖のように謝ってはいませんか? あなたは違うとしても、周りにそのような人はいないでしょうか?
 感謝の気持ちを表す場合に「すみません」という言葉を使う人もいますが、そのような場面でなもなく、とりあえず謝っておけばよいだろうという態度とも違います。自信なさげに謝り続けるのです。
 今回は、すぐに謝る人の心理を通じて、度々このブログでも触れている「私たちの中にある価値観・ルール(こころの根っ子)」について考えていきます。

【目次】
1.すぐに謝ってしまう理由

1-1 自己肯定感の低さ
1-2 自分のポジションを守る
2.すぐ謝る人になった理由

2-1 謝ることで自分を守る子ども
2-2 子どもの頃の体験が”こころの根っ子”をつくる

3.こころの根っ子を改善する

1.すぐに謝ってしまう理由

1-1.自己肯定感の低さ

 すぐに謝ってしまう理由のひとつとして「自信のなさ」が挙げられます。誰でも、時には自信をなくすことはありますが、それは”自分自身”に自信が無いというよりは、自分の”行動や発言”に対して自信が無いということではないでしょうか。過去の行動や発言に対して「どのような受けとめられ方をされているのか、評価を受けているのか」といった不安。未来については「うまく行動や発言ができるのか」という不安からくるものです。

 一方、常に謝り続ける人の場合は、”自分自身”に自信がありません。いわゆる「自己肯定感」の低い人と言えます。自己肯定感とは「ありのまま、そのままの自分が価値ある存在と思えるかどうか」ということ。自己肯定感は常に一定ではなく波があるものですが、謝り続ける人は、概して自己肯定感が低い状態にあると言えます。 

1-2.自分のポジションを守る

 自己肯定感の低い人は、謝ることによってあえて周囲の人からの評価を下げている場合があります。「私はダメな人間なんです。ごめんなさい。」と繰り返すことによって、周囲の人にも「この人はダメな人なのか・・・」と思わせているのです。
 これは、自分と周囲の評価が一致することで、一種の”居心地の良さ”を感じていると言えます。 つまり「自己肯定感の低い自分」という枠から周囲の人によって引っ張り出されたり、自ら枠をはみ出したりしないよう、自分のポジションを守っているのです。

2.すぐ謝る人になった理由

2-1.謝ることで自分を守る子ども

 すぐ謝る人になった理由ですが、子どもの頃の環境に要因があると考えた方も多いのではないでしょうか。その可能性は大いにあります。例えば、次のような場合です。

 親から「テストで百点を取らなければダメ!」と言い続けられる子どもは、何とか親の期待に応えようと努力を続けます。しかし、それでも百点を取れなかった場合、親の怒りを買うことになります。その怒りを少しでも静めるために、子どもは「ごめんなさい。次は頑張ります。」と言うほかはありません。ここで、何か言い訳や本音を言えば、さらに強い言葉を浴びせられることを知っているからです。「ごめんなさい」は、自分を守ろうとする言葉なのです。

 また、とても過保護な親がいたとします。子どもが自分でやろうとしても「あなたにはまだ早いから」「危ないから」と言ってさせてもらえません。子どもは自立した行動を起こせなくなります。「お前には無理だから」いう理由で、自由にさせてもらえない場合もあります。それでも好奇心の強い子どもですから、自由に行動することもあるでしょう。その時の親の怒りに対して自分を守るには「ごめんなさい。」と言うしかないのです。

 いずれも、子どもながらに自分の身を守るための「ごめんなさい」であることが分かります。自分が置かれている環境に適応するための行動であり発言ですから、そのような子どもにおいては適切な行動・発言とも言えるのです。

2-2.子どもの頃の体験が”こころの根っ子”をつくる

 自分を守るために「ごめんなさい」と謝ってきた子どもたちにとって、謝る行為もその原因となっている親の言動も、こころの傷となるものです。こころの傷は成長して大人になっても残ることがあり、それが前述の「自己肯定感の低さ」に結びつくことも考えられます。

 また、「百点を取らなければダメ」と言い続けられてきた子どもは、謝るだけでは自分を守り切れず、遊びも我慢して努力を続けるでしょう。そのことが、「自由にしてはいけない」「休んではいけない」「努力をしなければいけない」という価値観となり、こころの根っ子となるのです。

3.こころの根っ子を改善する

 子どもの頃の環境に適応して自分を守るため、ある意味適切であった言動が「価値観」を作りだし「こころの根っ子」となると、成長し大人になってから苦しむことがあるのです。それは、子どもの頃の傷ついた体験によって作りだされた「価値観」であるからです。

 まず、これをお読みになっている親御さんは、ご自分の言動がお子さんを傷つけていないか注意してみてください。ご自分のことはなかなか分からないという場合は、周囲の人にお聞きになってみるのも良いでしょう。

 また、すぐに謝ってしまうなど、何かしらの生きづらさを感じている方は、ご自身を客観的に見る練習をしてみて下さい。すぐ謝る人であれば、今日どのような場面で謝ったか思い出し書き出してみるのです。写真を撮るように、その場面を切り出す感じで書きだすのがコツです。この練習をしていると、謝る”スイッチ”が入りそうな瞬間を捉える事が出来るようになります。捉えることができれば、スイッチをオフにすることができます。初めはうまくできないかもしれませんが、繰り返すうちにできるようになります。

 ただ、これは「こころの根っ子」を改善するまでには至らない場合があります。こころの根っ子の改善にはカウンセリングをお勧めいたします。「こころの案内人」では、自分を客観的に見る練習やこころの根っ子を改善するカウンセリングを行っています。お一人で苦しんだり悩んだりせず、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「こころの案内人」の主なご相談内容、カウンセリングの種類をご説明しています。
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